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屋敷に帰り、眠りについた時、外は土砂降りの雨に。



「お嬢様…お嬢様」



寝ていたダリアは起こす声に目を覚ました。目を開ければ、ベッド脇に立ち蝋燭片手にセバスチャンがのぞき込んでいた。



「お休みのところ、失礼致します」

『…何かわかったの?』

「ライエイ博物館の書庫で、それらしい文献を見つけました」



手渡された分厚い本を起き上がったダリアは受け取る。



「確かに、以前の人体発火事件の際、女王陛下直属の実行機関として、ファントムハイヴ家とは別に後始末を専門に行う貴族が動いていたようです」



え?と本から顔を上げてセバスチャンを見る。



『後始末専門?…シエルは知っていたの?』

「坊ちゃんも存じ上げなかったようです。その様子では、お嬢様も?」

『ええ。カーヴァネットの頃にも聞かなかったし…』



またダリアは本に視線を戻す。



『それにしても、後始末専門…ヤードに調書が残っていなかったのは、そのためか…』

「3年前に当主が亡くなられたのですが、今はご子息が跡を継がれたとか。名を、トランシー伯爵家」

『…トランシー伯爵家?』



見上げてきたダリアを、セバスチャンは無表情に見つめ返していた。





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