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ーーーーゴゴゴゴ.


「キャアアア!!」
「ぬぉっ!!」


船が傾いて私らはバランスを崩し床を滑る。


「どなたか宇宙船の操縦の経験のある方はいらっしゃいませんか!?」
「もうホント誰でもいいから助けてェェェ!!」


その声を聞いて私の目に入った人物。だっと立ち上がりもじゃ毛を掴んだのは銀ちゃんと同時だった。


「イタタタタタタ!!何じゃー!!」


もじゃ毛の声を無視して私らは操縦室へと向かう。


「誰じゃー!?ワシをどこに連れてくがか?」
「テメー確か船大好きだったよな?」
『操縦くらいできるでしょ!!』
「なんじゃ?おんしゃら何でそげなこと知っちょうか?あり?どっかで見た…」


ことあるだろね。


「おおおお!!金時に…キンキラじゃなかか!!おんしゃらなぜこんな所におるかァ!?」
「『……』」


私らは目配せしてうなずき合った。目の前には扉。


「久しぶりじゃのー金時キンキラ!珍しいとこで会うたもんじゃ!こりゃめでたい!酒じゃー!酒を用意せい!」


ーーーーダコン.

私と銀ちゃんは扉におもいっきり頭を叩きつけた。


「銀時だろーがよォ銀時!お前もし俺が金時だったらジャンプ回収騒ぎだぞバカヤロー」
『私だって架珠だし。名前思い出せないからって頭見てゆーな!』


ズズズともじゃ毛を引きずりながら中へと入る。中では操縦士たちが慌ただしく動いていた。


「あれ?何か踏んだがか?」
「オイ早くしろ!!」
『あちこちで誘爆が起きてるし…』


見渡せばあちこちから煙やら火やら。


「船に爆弾しかけるなんぞどーかしとーと」
「銀さん架珠さん!ヤバイですよ。みんな念仏唱え出してます」
「心配いらねーよ、あいつに任しときゃ…昔の馴染みでな、頭はカラだが無類の船好き。銀河を股に掛けて飛び回ってる奴だ…坂本辰馬にとっちゃ、船動かすなんざ自分の手足動かすようなモンだ」
「…よーし、準備万端じゃ。行くぜよ!」
「ホントだ、頭カラだ…」


辰馬が持っているのは操縦士の足。私らは辰馬の顔面をぶん殴った。


「おーいもう一発いくか?」
『こっちは急いでんだよもじゃ毛』
「アッハッハッハッ!こんなデカイ船動かすの初めてじゃき、勝手がわからんち」
『舵はどこ?』
「銀ちゃんコレは?」
「これじゃねーことだけは確かだよ!」
「パイロットから頭離せェェェ!!スイマセンパイロットさん」


ーーーーゴゴゴゴゴ.


「オイオイヤベーぞ!なんかどっかの星に落ちかけてるってオイ!」
「銀さんコレッスよ、コレ!」


舵を見つけた新八だったが舵がビクとも動かない。


「ボク、でかした。あとはワシに任せ…うェぶ!
「ギャー!!こっちくんな!アンタ船好きじゃなかったの!?思いっきり船酔いしてんじゃないスか!!」
「イヤ、船は好きじゃけれども船に弱くての〜」
「何、その複雑な愛憎模様!?」


見ていられなくなった私は新八へと近づく。


『あーもう新八かしな。私に任せなって』
「架珠、私に任すヨ!!私文集に将来の夢パイロット書いたヨ」
「オメーはひっこんでろ。もういい俺がやる!普通免許もってっから。こんなモン原チャリと同じだろ」
「いやっスよ、アンタらに命預けてたら何回転生しても足りねーよ!」


ギャーギャーと言い合っていたら、後ろでガッと何かに躓いたような音がした。


「ふぬを!!」
「「「『!!』」」」


こっ…こいつ、舵折りやがったァァァ!!


「アッハッハッハッ。そーゆーパターンできたか!どうしようアッハッハッハッハッハッ!!」
「アッハッハッじゃねーよ!あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」


next.

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