モノクロボール 01 私の知らないミナトっていうのはけっこう在るわけで、世間一般的には好きな人のことなら何だって知っているのが常識かもしれない…けど、これから知っていくっていうのもアリだと思う。今日この頃。(開き直りとかじゃないから!!) 「ミナト、最近一緒に帰ってくれない、ね……?」 「………え?」 それはミナトと過ごすお昼休憩。太陽の光がジリジリと熱い屋上でお弁当をつついている時だった。 「……クシナ?」 「な、何よ!」 正直、自分だってびっくりしちゃっている。私ってこんなに乙女だったか?これは、まさか……ヤキモチというやつか!?……なんと、 「ヤキモチ?」 「///」 図星を点かれ返す言葉も出ない。ミナトと言えばちょっと呆れたような嬉しそうな、何とも難しい顔をして笑いを押し殺している。 「はは、クシナ知らなかったんだね?」 「な、何がよ!」 「俺、サッカー部のレギュラーだってこと」 これまた、なんと!ミナトはサッカー部でしかも、レギュラーだったのか!だとすると、ミナトは完璧な文武両道なんだ。凄い。成る程、六限が終わって直ぐに教室からいなくなる理由は部活だったのか! 「わ…たし、知らなかった」 「じゃあ、今から知っといて?」 「りょーかいです」 「でも、嬉しいな」 「ん?」 「お互いまだまだいっぱい知っていけることがあるってことだろ?」 そう言って笑うミナトはやっぱりかっこいい。ん?この学校のサッカー部って全国にもいく強豪校じゃなかっただろうか? ミナトの凄さを新たに知ったお昼休憩。 (20101224) [前へ] | [次へ] |