07.キス




「ねー、ちゅうってどんな味なんだろ?」

「……は?」



いつものように勝手に人ん家にやってきて、勝手に人の部屋に上がり、人のベッドの上で人の本を漁るように読んでいた俺の幼なじみのなまえが突然言った言葉に対し俺の口から出たのはなんとも情けない言葉にならない声だった。



「なんだよ…急に」

「……だってさ、サクラもいのもちゅうの味はレモンとか甘いとか訳分かんないだもん」

「あー……」



なんとなく分かってきた。なまえは分からないことはとことん調べて自分の目で確かめる性格である。なまえにとって分からないが一番嫌いなことになる。



「まぁ、レモンとか甘いとかってイメージじゃね?」

「イメージ??ますます分かんない!ちゅうにそんなイメージあって実際は苦いとか?」

「…………なんなら、確認してみるか?」

「え、//」



あ゛ー!!!俺なに言ってんだよ!!ほれ見ろ!なまえに変な目で見られる!



「…ん、確かめる」



えー!!確かめんのかよ!



「…じゃあ、目………瞑れ」

「ん、」



キスの味がレモンとか甘いとかっていうのもあながち間違っちゃねーかもな!



(20110322)
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