02.青空




あの日の空をなまえは覚えているだろうか?いや、なまえのことだから覚えてやいないだろう。



「また、眉間に皺寄ってるよ?……なんか考えごと?」

「い、や……違う」



突然覆い被さって俺の顔を覗きにきたなまえ。近ぇ…。最近、気づいたことなまえの不意に見せる憂いを帯びた表情。どちらかと云えば女のくせしてやんちゃだったなまえ。


「なぁ、俺たちの付き合った日覚えてるか?」



するとポカーンと呆気にとられた表情のなまえ。なまえのやつやっぱり忘れてるな。



「…てる、」

「え?」

「覚えてる…よ」

「!」

「空の青さも、胸の熱さも、シカマルの言葉も、みんなみんな…覚えてる」

「なまえ…」



へらりと笑ってみせるなまえは俺の知ってるいるやんちゃななまえの表情。



「シカ…」

「……青いな」



空を見上げるなまえの表情は俺の知らない表情。あんなに幸せそうに空を見上げるやつなんて、なまえくらいだろうな。


この青空がいつまでも2人で見上げられるように。



(20110309)
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