ぽつ、ぽつ、ぽつ、




それは任務帰りに突然感じた気配だった。後ろを見れば相方である鹿鳴(シカマルの暗部名は“鹿鳴”という)も俺の感じた気配に気づいたみたいだ。気配を辿れば森の中の拓けた所に出た。



「弧空、」

「あぁ…」



ちなみに弧空とは俺の暗部名。そこには月光の下で眠る女がいた。その女は見慣れない服装を身に纏っている。それに、チャクラを感じない…一瞬死んでいるとも思ったがただ単に寝ているらしい。暫く離れた所から様子を伺うが起きる気配がない。

カチャ


クナイを取り出し気配を消し近づく。隣の鹿鳴は鹿の面の下で生唾を飲んだようだ。
…おいおい、暗部副隊長がこの程度のことで動揺か?総隊長の(俺)相方なんだからしっかりしてくれよ。敵なら殺せばいいだけだ。動揺や不安なんてそれで消してしまえ。



「弧空、めんどくせーがここは火影様に意見を仰ぐ方がいいとおもうぜ?」

「…………あぁ」



殺しちまえば楽なのに、と思いながら俺は鹿鳴の言う通りにするべくクナイをしまい女を抱き上げる。

「………」

「…?」

「お前が持て、」

「……へいへい」



向かうは火の国、木の葉隠れの里。常人には見ることが出来ないほどのスピードで夜を駆ける。本当はもっとスピードを上げれるがそこは、「女がいるんだ」と言った。鹿鳴の意見により却下された。



(20101208)
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