恋愛ガイダンス




「先生!ミナト先生!!」

「あ!おはよう」

「お、おはようございます…」



じゃあね、と去っていくミナト先生。地毛らしい金色の長めの髪を靡かせ、日本人離れした空のような青い瞳で私の心を奪っていった。



「くそー!かっこよすぎじゃない?ミナト先生ってば!!」

「はいはい。確かに目を引く容姿よね。でもね、教育実習の2週間だけだから、ミナト先生がこの学園にいるのも」

「………ぶぅー、」

「あ!そうだ、何か勉強を教えてって言って先生のとこ行ってきたら?」

「私の場合分からないとこばっかりなんだけど!」

「あ、そっか!」



あっさりと頭の悪さを肯定されちゃったらへこんじゃう。


「はぁ…」

「どうしたの…?」

「実は、……ん?」

「あ、ミナト先生」

「わぁ!びっくりした!!」

「はは、ごめんごめん。君たちの声が聞こえてね。何?熱心に勉強中かな?」

「あ!そうだ、先生この子に勉強教えてあげて下さい!」

「え、いいけど」

「じゃあ、よろしくお願いします。じぁねー頑張ってね!」

「ちょっと待って!!」



勝手に話しを進め終わらした私の薄情なのかお節介なのか分からない(多分、前者だと思う)友人は私の声も無視してさっさと帰ってしまった。



「えっと……」



一番の被害者は紛れもないミナト先生。何の勉強?と言いながらにこにこと私の前に座る。うわぁ、綺麗な顔外人さんみたい。



「どの教科にする?」

「えっと、す数学!」

「オッケイ。と、教科書見せてね?」

「っ!///」



近っ!いやいや、ミナト先生は私に勉強を教えるために私の教科書を見てるだけだから!っ、でも、近いよ〜!



「で、ここのxに2を代入ね?」

「は、い……//」



ごめんなさいミナト先生。私、ミナト先生の説明半分も頭に入ってないかも……
だって、そんな余裕ない、もん……



(20110129)


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