お互いベクトル 「俺は、お前がいい…」 はてはて。こんな言葉を言われた世の女性は多分恋に落ちちゃうでしょう。しかーし!私は違うだって、相手はマスタング大佐だから。 「ん、どうだ?ときめいたかね?」 「全然!全く!ちっとも」 「………即答はないだろ?即答は、」 「そういう言葉は好きな女性に言うもんです。ほいほいほいほいそこら中の女性に言ってるから彼女出来ないんですよ!」 「……え、」 「は?」 急にポカーン顔になる大佐。うっわ、レアだよレア!写真撮っていい?撮っちゃうよ?? パシャ 「わ!」 「あ、気づいた」 「で、君は何を持っているのかね?」 「写真です。今月の生活費にさせて頂きます」 「……全く」 「あれ?怒んないんですか?」 「フィルム入ってないのだろ?」 「わわ!」 むんずと大佐に奪われる私のカメラ。ビーっとフィルムが抜かれる。あぁ、今月の生活費が…… 「君だけだ、」 「ん?」 「君だけにしか言わないよ」 「え、ちょっ//た大佐?///」 真っ直ぐ見つめてくる黒の瞳は私だけを写してるだけ。そこに写る私と言えば茹でたこのようになってしまっている。 「信じて頂けたかね?」 結局は私もマスタング大佐のことが好きってこと!だって、私の心臓が叫んでるもん。 (20110120) |