子どもの頃の夢みたいに




いつからだっただろうか。俺の世界が変わりだしたのは、



「シカマルー」

「ったく、いい歳してでけー声出すなよめんどくせー」



にこにこと俺の元へ駆け寄る幼なじみのなまえに呆れるが、別に嫌ではない。寧ろ、嬉しい。



「ひっどいな、シカマルは!シカマル見えたから私走ってここまで来たんだよ?」



「ほら」と指差した後ろは山。まさか、頂上からか?



「いやぁ、下りだったから結構なスピードで止まんなくなるかとちょっぴり怖かったよ〜」



あはは、と始終笑いっぱなしのなまえ。こう見えて木の葉の上忍なんだから驚きだ。



「シカマルってさ、ほんっとにジジクサイよね?」

「んだよ、てめーだって俺と趣味変わんねーんだからババクサイんだな?」

「え!」



ガーンと効果音が聞こえてきそうななまえの落ち込みように堪えていた笑いがこみ上げてくる。



「ククク、マジでおもしれー!」


「もう!笑いすぎだよシカマルってば!」



子どもじゃなくなっちまった俺やなまえも託す側になった。アスマの守った玉たちも木の葉を照らしている。



「そういえば、来週の演習ってシカマルのとこの班とだっけ?」

「あぁ」

「アスマ先生と紅先生の子たちでしょ?」

「あぁ、三つ子なんてびっくりだぜ、」

「ふふ、嬉しいくせに!“シカマル先生”♪」

「めんどくせーな、なまえのとこも腕上げたんだろ?」

「もっちろん!」



アスマの忘れ形見である子どもたちは今は俺の部下で俺もアスマのようにカッコイイ大人にあの子たちに見てもらえてるんだろうか?

先代たちの火の意志を伝え木の葉を照らす。子どもみたいな夢じゃない。もっとリアルのある夢。隣を歩くなまえと、

……アスマのヤローは紅先生になんてアタックしてたんだろうな。ったく、めんどくせー


(20110107)
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