あなたと愛するひとが結ばれる日に




忍びの結婚は早い。自分の気持ちに気づいたのなら直ぐに伝えなければ……



「ミナトも今日で独身卒業だね?」

「はは、なまえなんで"?"が付いてるのかな?……それに、俺はクシナの男なんだ!クシナを命を賭けて護るんだ」

「………そだね、」



あぁ、いつも隣にいたミナトはいつの間にこんな表情をするようになってしまっていたんだろう。アカデミー前のミナトだって私は知っている。家が近所だったし、ミナトが周りの男の子よりちょっとカッコイイことだって知ってた。



「なんか、ミナトに追いてかれちゃったかんじ、」



つい、本音が溢れる。ミナトを盗み見れば案の定分からないと言った表情。


「っぷ、ははは!!!」

「なっ!なんだよ、」

「………こりゃ、負けちゃうわ。ミナト……幸せに、クシナを泣かすんじゃないわよ!!」

「!、うん。分かってる……なまえ」

「ん?」

「ありがとう、」

「………」



私は背中でミナトの"ありがとう"を受け止める。真正面から受けるにはミナトの思いは眩しすぎるから。代わりに手を振り替えした。

……バイバイ、ミナトを好きだった私。



(20110101)
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