測り間違えたお砂糖




私、みょうじなまえは暁の見習いくの一。暁の任務はもちろん尾獣や追い忍相手の危険な任務ばかり。私みたいな弱いくの一は此処では、精々雑用をしているのが関の山。



「はぁ…禁術の一つや二つ覚えたら認められるのかな?」



チャクラ量は人の二倍はあると言われている私はチャクラコントロールが病気的に下手なせいでいつも「宝の持ち腐れ」と言われる。…もっともなので言い返せないのだけど、



◇◇◇



「と、言うことなんですけど…私も禁術でも覚えて暁のメンバーに入りたいんです!そして、私もツーマンセルで人柱力相手の任務に出てみたいんです!」

「……で、なんで俺なんだ?」


なまえの勝手な宣言を律儀に聞いてやるサソリ。律儀に聞いてやるのはなまえだからというのは秘密だ。なまえはコトンとサソリの目の前に入れたての紅茶を置く。



「そうだな。先ずはこんだけ周りは手練れの忍び集団なんだ。観察してみろ。得られるものは沢山あるはずだぞ?」

「ちゃんと皆さんのこと見てますよ!リーダーの戦う姿はまだ拝見出来てませんけど、イタチさんは写輪眼を使った憧術。鬼鮫さんはチャクラを削り取る大刀。飛段さんは不死身。角都さんは多数の心臓と多数のチャクラ性質。そして、デイダラさんは粘土爆弾。」



俺以外の戦闘はまぁまぁ把握出来ている。が、俺の戦闘をまだ言ってない。



「俺のは…?」

「………なんかオカルトぽくて、」



要するにちゃんと見ずに傀儡が動いているところだけを見て俺の戦闘は理解出来てねぇということか。



「見とけ、よ」



少し拗ねたように言うサソリだが生憎今はヒルコの中なので少し恐ろしいだけ…



「………」

「おい、」



ちらりと見たなまえはサソリを見ることなどせず紅茶を啜っている。



「怒るぞ!」

「……だって、」



全く、何故こいつは俺が恐いのに俺のところに来たんだか、俺だって暇じゃねぇんだ。なまえじゃなかったら今頃ヒルコの尾で一刺ししているところだ。



「一ついいか?」

「はい?」

「………俺は食事は摂らねぇ。もちろん、紅茶も飲まねぇ」



先ずは、せめて俺のことを知ってくれ。いろいろと教えてやるのはそれからだ。

紅茶の湯気にのってやってくる感じるはずのない甘い爽やかな香り。……俺も、バカだな


(20110104)
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