鬱蒼と木々が生い茂るとある森。あちらこちらに鹿がいるのが見える。意外と大きな鹿に怯えながらも一歩一歩前へ進む少女が1人。 「あれ…迷ったかな?木の葉はこっちのはず、だと思ったんだけど…」 この森は木の葉でも特別な森である一族以外は立ち入りを禁止されている。それを知らないとはいえ足を踏み入れその上、迷ってしまった少女の名はソラ。 「!!」 鹿とは違う気配に気づき木の上に飛び乗れば自身に向けられた殺気。ホルダーから素早くクナイを構え…ることは出来なかった。 「え、」 「影真似、成功っと…お前、なんでこの森にいる?それに木の葉の忍びじゃねーみたいだし…尋問部隊に引き渡す!」 「え、ちょっと待って!」 「はぁ?待つわけねーだろ、めんどくせー」 影真似から影縫いへ。黒い影はソラを縛りつける。 「わ!待ってって!!私、今日から木の葉の忍びになったソラです!!火影様に謁見したいです!」 「はぁ?木の葉の忍びになるつーのになんで表の門から来ねーんだよ。あと、この森は俺の一族以外立ち入り禁止だ」 「えっと……迷子になっちゃって」 「……めんどくせーが火影様の所に案内してやるが変なことすんじゃねーぞ?」 森に侵入者がいたと火影様に報告していた忍鳥が返ってきた。侵入者の特徴を書いてたらそれは本日付けの木の葉の忍びということ。念の為、緩く影真似をかけておく。 めんどくせーことが起きそうな予感がする。 ◇◇◇ 「で、迷って奈良の森に入ってしまったと、?」 「す、すみません!!」 「…まったく」 処変わって火影邸。ペコペコと何度も綱手に頭を下げるソラ。その隣ではシカマルがめんどくさそうに立っていた。 「それじゃ、火影様俺はこれで…」 「シカマル、待て」 「はい?」 扉に掛かった手を引っ込め綱手に向き直るシカマル。今の綱手はまさにめんどくさいことを押し付けるような顔をしている。 「……なんですか?」 「なんだその間は。まぁ、お前の予想通りかもな。今からソラに木の葉を案内しろ。あと、ソラはお前んちの隣の空き家に住むからな!」 ニッコリとシカマルにめんどくさいことを押し付けた綱手。シカマルが溜め息を吐いたのは言うまでもない。 その日からソラは木の葉の忍びとなった。 0 |