きらきらと輝く太陽の下で真っ黒な背景を背負う少女。"どんより"という言葉がよく当てはまる感じだ。 「ソラじゃねーか!」 ソラは自身を呼んだ人物の方へギギギと固い動きで振り向く。そこには、やはり先日迷惑を掛けてしまったシカマルがいた。 「シ、シカマル…さん!」 「なんだよ。急に改まって…?」 「……だって、私ったら……」 だんだんと俯き今にも泣き出してしまいそうなソラ。シカマルは"…あぁ!"と先日のことを思い出していた。 「その…悪かったな。俺もあんな言い方なかった、すまねー」 「!違います!!…私が…弱いから……」 ソラとシカマルの間にはなんとも気まずい空気が流れる。 「…はぁ」 「っ、」 シカマルの溜め息にビクつくソラ。いつものシカマルなら"めんどくさい"の気持ちで適当にあしらっていただろう。が、今回は違った。 「ソラ」 「は、はい!」 「クク、そんな堅くなんなよ。雲とか見るの好きか?」 「え…はい、」 「よし、じゃあ俺のとっておきの場所に案内してやるよ」 ◇◇◇ シカマルのとっておきの場所…火影顔岩の近くの草地。そこには短くもなく長くもない青々とした柔らかな芝生が広がっていた。 「わぁ!!すごい!」 「…やっと笑ったな」 「え…」 「……いいだろ、この場所。最近の俺の特等席なんだ」 「…特等席?」 「そ、俺のんびりと雲見んの好きなんだ…この場所内緒な」 「っ、///」 眉間に皺を寄せながらいつも難しい顔をしているシカマルがとびきりいい笑顔になる。ソラの胸はトクンと跳ねた。 「ソラも雲好きか?」 「……うん、蜘蛛は嫌いだけど」 「クク、普通の女だな!」 「な、なによ!どっからどー見ても私は女よ!」 「あぁ、普通だ…普通の女だ」 「…シカ、マル?」 普通の女になればいいのに。ソラには忍びは似合わないと思う。めんどくさがりのシカマルは柄にもなくそんなことを考えていた。 (20110319) 0 |