見知らぬ、白い部屋。
そこに少年と少女は立っていた。
「おい…、待てよ」
『なあに?』
「俺はさっきまで…」
『?』
「っ、学校にいたんだ…」
『うん』
「それで…」
『学校に戻りたいの?』
「ちが…」
『じゃぁなんで?なんでそんなこと聞くの?』
「それは…」
『…キミは、わかってないよ』
「え…?」
『私だって本当は…』
『…ううん、何でもない』
「あのさ、」
『あとはウサちゃんについていけば大丈夫!何も心配いらないよ』
「ウサちゃん…?」
「…えっ、ちょ!?」
少女が少年の目の前から消えたと思ったら、いつの間にか少年もいなくなっていた。
さっきまで少年が立っていた場所には大きな穴。
そして何かが落ちていく音と、少年の悲痛な叫び声がその部屋中に響き渡った。