ガンダレスをお風呂に入れてあげるだけ
※おバカ
※下品
ファラム・オービアスはかつて侵略国だった。よって、様々な遺伝子が混ざり合って、幾つか身体的特徴の有る者と無い者が混在するのだ。その身体的特徴とやらは自分が持っていないものだとすると、一体どんなものなのか見当もつかないのだった。
我が星の誇り高き戦士、紫天王も勿論その特徴を持つ。
「風呂は苦手なんだもんーーー!!!」
「子供みたいな事言って!きちんと髪を洗って乾かさないからそんなにボサボサなんです!」
「いいんだよ!これが俺のトレードマークなの!」
「いつかも風邪引いてたでしょ!ちゃんとお風呂に入らないから免疫力が落ちてあんなことになるんです!」
「だ、だって…水は怖いんだよ…」
「はあ…汚いガンダレスとはもうぎゅーもちゅーもしないからね。それでもいいの?」
「うっ…嫌だ…」
「うーん…じゃあ一緒に入ってあげる。そしたら怖くないでしょ」
「うーん…」
「…シャワーキャップ買いに行こう」
「しゃわー…きゃっぷ?」
「お水怖くないアイテム。はあ、まるで赤ちゃんの子守りだわ」
「ガンダレスの風呂嫌いには手を焼いているんだ。頼んだぞ」
「…ハイハイわかりましたよ」
そんな経緯でガンダレスをお風呂に入れなければならなくなったのですが、これを機にその特徴的な角を触らせてもらおうかなと目論んでいたのでした。
「…?名前、お風呂なのに脱がないのか?」
「ぬ、脱がないわよ。だってわたしは洗ってあげるだけだもの」
「えーーー?」
「えーーじゃありません!兎に角!」
「うわっ」
「これがシャワーキャップよ!」
「おおおー!すげー!」
スタンダードなピンク色にヒヨコの柄。
出来るだけ可愛いものを選んだら、キョトンとした顔のガンダレスによく似合っていた。きちんと装着してから、頭からシャワーをかけてあげる。
「うぎゃああああ!!」
「あああ抱きつかないで!!わたしの服が濡れる!!」
「だってえええ」
「大丈夫だから!落ち着いて!顔に水かかってないでしょ!?」
「ううう…ん?ほんとだ…」
やっぱり、顔に水がかかると上手く息ができなくて怖くなってしまう質のようだ。
大人しくなったガンダレスにわたしは少し得意気になり、鏡越しに微笑んでみせる。そのままシャンプーを手に取り、髪を洗ってあげることにした。泡だらけになったガンダレスの後頭部を見ながらふと気付く。髪を濡らした事で、触角のようなものもへたってしまっていることに。
「ねえガンダレス?」
「んー?」
「…ここって、くすぐったい?」
「ひゃ!」
「くすぐったいんだ!?」
触角を指でなぞってみると、可愛い声が出た!これは面白い。髪の束みたいな?よくわからないが形状記憶はされている。お湯で若干へたっているけど。
わたしは興味津々で触角を弄っていた。なんだかぷるぷる震えてる。可愛い。
「うううう〜〜〜」
「あ、ごめんね、つらかった?」
「ううん…」
なんか唸りながら腕を掴まれた。しまった、ちょっと弄りすぎたか…そおっとタオルのかかった股間を盗み見たが…勃ってはいないみたいだった。よかった。盛られたらどうしようかと思った。あんまりにも良い反応をするから……
「名前…」
「なにー?」
ちょっと脱力してるガンダレスに申し訳ないと思いながら頭を流す。きちんと流せたら今度はコンディショナーだ。これだけ長いのに、多分この子リンスやコンディショナーの類は使ったことないな… 髪に染み込ませるように撫でている時、ガンダレスはわたしに向き合った。わたしの手はコンディショナーだらけになっている
「…俺、今多分すげーキレイだよな?いい匂いするし」
「え?まあ、うん」
「じゃあ、ちゅーもぎゅーもしていいんだよな!」
「…いいけど、お風呂あがっ…!!」
「わーい!!」
「んん…!!!」
上がってからだって言おうとしたのに…!別に触っちゃいけないわけじゃないのに、コンディショナーでベタベタの手ではまともに抵抗出来ずされるがままになってしまった。まあ、腕を掴まれた時点でわたしの負けだ。彼の腕力その他身体能力は異常だから。シャワーキャップがわたしの額に当たって逸れてる。多分シャワーキャップの事なんてすっかり忘れてただろう。地味に痛かった。
「はあ…」
「んっ、なんかすげーちゅーしたい」
「もうしたでしょ」
「まだ足りない!」
蒸気に濡れた唇が柔らかい。軽く舐めたり食むだけだったのが急に舌を捻じ込んできたりして、この子の考える事が全然わからない。
多分角を弄ってたせいで、ムラっとしてしまったのだろう。困った。裸で濡れてるガンダレス、餓鬼で馬鹿で可愛いけど男の子だ。わたしはこのまま…
「はあ…どうしよ、名前…」
「…知らないからね」
「ちんちん勃っちゃった」
「知りません!」
「ええーーーー!だって…だって…」
泣いた!
大きな瞳が満ち潮みたいにみるみる水浸しになって、ぎゅっと瞼を下ろした時にぼろぼろと零れ落ちた。反則じゃないか!涙は女の武器じゃないの!?ここで懐柔されたらだめだ、この子の今後とわたしの威厳が危険だ。
「出したいよお…うぇっ…」
「………………」
わたしは身体を石鹸で洗ってあげただけです。ええ、洗ってあげていただけ。それで出せたみたいだけど、わたしには全くもってやましい気持ちなんてなかったしあくまで身体を石鹸で洗ってあげただけです。はい。