ORDER MADE


誰も信じてくれなかったさ。

オレが女の子を大好きなのは周知の事実でも、浮気をした事が無いって事を。オレの中で浮気はディープキスからで、それ以上をする女の子の期間が1日でも被った事は無いという事を。
基準が違う子には考えらん無いとか言われたし、被ってない筈が無いと言って聞かない子もいた。兎に角君たちからして浮気男だとしても、オレの中でオレは誠実な男さ。みんなが信じないだけで



「そうなんだ!フィディオくんて一途なんだね」



でも、そんなオレを信じる女の子がたった今一人見付かった。オレにとってその子はたちまち輝いて、聖母のように見えた。



「信じて…くれるの?」

「え?フィディオくん嘘ついたの?」

「いや、ついてない、けど」

「なら信じるよ、わたし」



懐く子は可愛いとかウチの子一番みたいな気分なのか、なんだか込み上げるように名前が愛しい。
オレを信じてくれた、おんなのこ、
たちまち愛しくなって、あいしてあげたくなった。直ぐ寂しくなってキスがしたくなる、オレと違って浮気性なオレの唇に今は正直になって良い時。オレは今フリーなんだよ、つい昨日派手な平手打ちをされて別れたばかりだから。だから枷を外してしまおう。そしたらあっという間さ。オレはきみの唇を無断で啄んだ。


「フィディオくっ…!んっ」



ああなんて可愛いんだ。暴れだす手を押さえつけてオレは更に深くキスをする。なんだかしっくりくる。オレの唇はきみの唇のためにあったんだって思うような、オーダーメイドの鍵と鍵穴みたいな、ぴったり、かちり、

舌を入れた途端びくりときみの身体が跳ねて、あとはとろけるように力が抜けた。ぎゅうと目を瞑っているきみ、しっかり目を開けてるオレには上気して真っ赤な可愛いきみの顔が見れる。



「っ……!」



余裕を装っていた筈なのに、不覚だ!オレが微かに動揺したのを悟られなかったか心配だが、しかしなんてことだ。もうどうにかなりそう。
今まで一方的に絡めていた手に、きみからの力がゆるゆる入って握られたのだ。それはもうオレの心を擽り殺すレベル。


困った、これはまだ暫くきみの唇を離せそうもない。

とろけるようなキスをして



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