ニンフォマニア
※下品
「……あんたを満足させるのは何時も一苦労だ」
「でも最後までつきあってくれる笹山はだぁいすき」
「…よく言うよ」
「そんな事言って、最初に持ちかけたのはそっちじゃない」
「……」
笹山という男は淡白で、優しい。過剰性欲で男の寄り付かないわたしを抱いてくれるんだから、相当の物好きだが
「まさかあの笹山兵太夫がねー」
「…うるさいよ」
「直通のからくりまで作ってわたしの所に通って、」
「……」
「わたしの性欲を処理してくれるなんて感激」
「…尻軽が、安い口はごめんだ」
「…、その尻軽を好んで抱いてるのは誰よ」
恋仲ではない。それなのに笹山はわたしのところに通うのだ。次の日の実習に響こうが、疲れていようが、わたしを抱きにくるのだ
「…男なんてわたしは性欲処理としか考えてないのに」
「…知ってる」
「…わたしのこと好きなの?期待してる?いつか振り向くって」
「そんな甘く考えてない、」
「甘いわよ、」
こいつの魂胆なんてバレバレだ。どうせ自分で満足させてれば他の男のところに行かなくなると甘い期待をしてるんだろう。でもそんな奴も最後には皆疲れ果ててさようならなのは目に見えている
「あんただって保たないわ、いつか愛想尽かせて狂った女だって言いながら出てくのよ」
「…普通ならそうだろうけど、僕は違う、」
「自惚れも大概にしなさいよ」
「何時まで大口をたたけるか見物だね」
今日の笹山は何か違う。いつもの奴は、口は悪いが献身的な態度だった。しかし今日はなんだか強気だ。彼はにやりと嫌な目をして笑った。それから懐から何かを取り出したが、わたしはそれを見て幻滅した。
ああ、こいつも所詮こんなもんなんだ
「……わたし張型なんかじゃ満足しない。あんたも大概馬鹿ね」
「他の奴と一緒にするな。僕が自ら設計したお前専用の張型だ、最後には必ず僕のが欲しいって懇願するね。あー楽しみ」
「…嫌よ、わたしにそんなくだらないもの射れないで」
「お前に拒否権なんて無い。今まで研究してたんだよ僕自身で。そこまでお前が好きなの、わかる?」
「…わからない」
「答えは明日の朝に聞くから、黙って抱かれろ」
「っ…やめっ」
「そうだ、僕の事好きって言えたら僕のものあげるよ、だからそれまではコレね」
おぞましいものを持ちにっこりと黒い笑顔を浮かべる笹山に、わたしは背中に電流が走った
それは恐怖か、或いは期待か