片道切符

※卑猥




"まあなんと言ったらいいのか、笹山くんはお痛がすぎますね?"




わたしからしたら可愛いものでついつい笑みが零れてしまうのですけれども、巻き込まれた人はさぁ大変。地獄を見た挙げ句もう戻らないのだから。手を汚さずに消し去るその一挙がまがまがしくも美しいから、わたしはまた知らない男に唾をつける。はい、さようなら。貴方にも明日の朝日は無いのよ。
死刑宣告を楽しむ狂気じみた自分が何時から可笑しくなったのかなんて、この男が何人目なのかなんてもう数えるのはやめたわ。紅い跡を見つけて、あの綺麗な硝子のような瞳が憎らしい視線で空気を裂き矢を放つのが心地いいの。




"いえ滅相もない。貴女ほど狂ってはいないけどね"




愛情表現が届かずに日に日に悪化しているのを自覚などしていない。三ちゃんに頭大丈夫?なんて心配されたのはもう何度目か。僕は正常さ?可笑しいのはあの女。
僕とは一度も唾を交わしていないのに、あの憎たらしい女は汚らわしい雄を咥えたりして、頭可笑しいんじゃないの?先生の声なんて一語として留めず、僕はどうゆう風に惨殺するのが一番汚いかだけに集中している。鳥葬なんてどうだろう。

そうそうあの男だ。僕の一億分の一程度の顔で名前を抱いただって?この世界可笑しいんじゃないの?




"あー面白い。でもそろそろ飽きたなあ、僕良いこと思いついたんだけど"




いよいよ二人とも狂ってて見てるのも反吐が出そうになったから、ちょっとした遊戯でもしようか?真っ暗な部屋。くノ一名前の任務はそこに居る城主からの情報収集。月すら出ない暗夜に夜目も利かずに其処で寝る城主に夜這いをかける名前。でもそこに眠るのは、



「…はぁ、残念だったね」

「っ、笹山くっ…」



もう夜這いも中盤、名前は兵ちゃんのあそこを十分に捏ね回した後だったから、熱っぽい声で呟く。逆に押し倒した兵ちゃんに口付けられる名前は万更でもなさそうで始末が無い。



「っは、嘘、だって血の匂いも死臭もしなかっ」

「頭の可笑しい女はこれだから。僕を甘くみた罰だ」

「それじゃあ兵ちゃん楽しんで。城内の雑魚は任せといてね。貸しは高くつくけど」

「うん、その話はまた」

「夢前っ」




あぁあ、馬鹿な女。兵ちゃんを怒らすから。地下城への片道切符です、よい旅を
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