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聞える。


ボクを起こそうとする君の声が


*

「Hi,Teo.it's about time you get up.(テオ、起きる時間だよ)」

流暢な英語が眠りについているボクの耳を掠める
目を開くと緋色の瞳と目があった


「……………………good morning,Andy.…I said."you must speak japanese when there is you here."(おはよう、アンディー…ここに居るときは日本語で喋らないといけないって言ったよ)」

「oh…sorry. …つい癖で」

そう言いながら顔を近づけてきた
ボクはいつものように眼を瞑る、軽く唇が重なってちゅっ、と音がする

おはようのキス


目を開くとまたあの緋色の瞳と目があった。

きれいな目だな

そんな事を頭の片隅で思いながら、枕元のデジタル時計を探そうと手を彷徨わせる

「テオ」

名前を呼ばれたかと思うと彷徨わせていた手を握られ、片手で頬を掴まれた

「」

アンディーが何か呟いたかと思うと下唇をぺろんと舐められそのままキスをされた
さっき程よりも深い


抵抗する理由も見当たらないから自ら舌を絡める
ちゅぷっという水音が部屋を木霊するけど厭らしいなんて思わない。


「ぁ…………ん、……ふ」

強く握られた手を握り返すと今度は指の腹で手の甲をツーっと撫でられた
何度も何度も角度を変えてキスをされる

「はぁ、…てお……ン」

白い髪が目の前で揺れている
いつの間にか覆いかぶさられていた

「ぁ……、…ふ」

止もうとしないキスに徐々に理性を奪われていく
アンディーと名前を呼んで首に腕を回して一層深く求めた


絡められていた指は離されボクの横腹を滑り太腿を指で撫で
そのままボクのモノを形を確認するかのように握った

「…んッ…!?」

固く閉じた目をうっすらと開くいきなり握られたもんだから驚いた。
首に巻き付けていた腕を外してその手で肩を押した

目を合わせればバーガンディ
先ほどとは異なり濃くて仄かに暗い欲を含んだ色だった
もう、たまんないって感じの眼

「ハァ………朝っぱらから何、欲情してるの」

とりあえず、ソレ離してよ、と握っているものを離すように促す
だけど、それは出来なかった。
アンディーは握っているモノを大きな手でゆるゆると擦り始めた
下着越しに亀頭を親指で丹念に擦られるから嫌でも反応してしまう。
再び目を閉じてぶるりと震え快楽に耐えた


「テオがえろいから」

「あぁ……ん、ハッ、っ」

アンディーが見つめる
彼を動物に例えるなら間違いなく誰もが兎と答えるだろう。
内面の問題じゃない外見の問題で

彼はアルビノだ。白い、兎に角しろいんだ。

肌、睫毛、眉毛、髪に至るまで全てが白。
目はアルビノ特有の緋色

外人ってこともあるからかハッキリした顔作り、確かアイルランドの血も混ざってるって言ってた気がする、それに背が高くて今は撮影のため?に鍛えてるとも言っていたような。

美しい美貌とアルビノ特有の神秘さ、彼は人を魅了する

そんな彼がボクを凝視する
比較的に白いボクより白い手が壊れ物を扱うように優しく頬を滑る

「テオ……」

「なに」

「……You are the love of my life.(キミは俺の人生で最愛の人)」

「…l knew.(知ってる)」

知ってるとかいいつつもこの言葉も雰囲気を盛り上げるための戯言かもしれない、と心のどこかでは思っていた。


返事に気を良くしたのかボクの下着から手を離して先走りがついた指をぺろりと舐めた


「……なんでボクなの」

そんな厭らしい仕草を見てポロリと漏れた本音
こんなに美しい美貌を持ってなぜ自分に執着するのか

「テオドールだから」



*

彼、アンディーは全てにおいて人よりも長けている


例えばなんでもいい。セックスとか


*




「ァ、あぁっ」

「ン、…はぁ…気持ちいいよテオ」

「もッ、やめ……ッあぁ」

「やだ。…今までこの可愛い声を何人にも聞かせてきたかと思うとイライラするんだよ」


中を突き上げる熱に全て持っていかれそうだ、体と比例しやっぱり下もかなり立派なそれはボクからしたら凶器でしかない 

霞んでいく意識、儚く脆い理性。ボクみたいな奴は快楽に従順にと教え込まれている。
あぁ、らしくないことを口走りそうだ


「ふっ……ぁッ、もっ…、と」

そう言って力のある限りアンディーを抱き寄せて目の前にある形の良い耳朶にちゅうと吸い付いた

「…ねぇ、それ煽ってるって分かってる?」

「ヒッ、ぇ?…あ、あッ…ん」


ベッドの上の縁に手を付いて前のめりの膝立ち状態
アンディーはボクに覆い被さって僕の腰を掴んでいる

後ろから上下に揺さぶられる度にギシギシと鳴るベッド


「こんなに可愛いのに、あいつ等も馬鹿だな」

ベッドに付いていた片方の手がボクの脇腹を厭らしく何度も滑り乳首にあるピアスを引っ張った

「アッ……ぁ」

「気持ちいい?」

"ここ"といってピアスを弄られる


ボクの体はお世辞でも綺麗とは言えない鞭で打ち付けられて裂けた皮膚が再生した無数の跡

両方の乳首にはニップルピアス、簡単に言えば乳首ピアス臍にもピアスが開けられてて、背中には鎖が纏わりついた十字架のタトゥーが彫られてる。
…悪趣味でしょ?全く、噴き出してしまいそうなほど品がないよね

ボクは自分が嫌いだ。早く消えればいいのにと思う

「たかが数千万円位で簡単にマナブを手放すなんて、あいつ等の目は余程の節穴だったね」

よっぽどお金に困っていたのかな?と、くすりと穏やかに微笑みチュッと柔らかい唇が頬を一度触れた
それから何度もちゅっちゅってバードキスをしてくるんだ

「も、やめて…」

ボクは今までとある古ぼけた店の男娼として生きてきた。
物心ついた時から親なんて居なかったし、居たのは醜くて汚い男が4人。その店から外になんて出たこともない。そんな次元で生きてたんだ

体を売って生きてきたからそれ以外の生きる術なんて知らなかった、体を売って普通だとさえ思ってた。

このピアスもそのせいだ。
好き好んでしているわけではない。
趣味の悪い客のせいだ。

そんなボクを売ってお金を儲けてた奴らはある日やってきた白い男によってボクの前から姿を消した。


「やあ、大丈夫?」

「…誰ですか」

「私の名前はアンディー、で君は今日からテオドールだよ、テオ」

「…てお」

「そう、君のなまえ。君は確かジャパンとコリアンのハーフだったね?まぁどっちの国の名前かわからないけど、君は今日から今までの名前を捨ててテオだ」


どんな意図があるのかは分からないけど
奴らが姿を消したその日にボクはアンディーの家の養子になった。

………


アンディーと力なく名前を呼べば
後ろから抱きしめられて項をちゅっ、とキスされる

「なに?」

「…かおみせて」

ボクがそういうと中から自身を抜いた

「ッン」

声が漏れる


ベッドの縁に手を付いているボクの脇腹を自分の方へ引き寄せて壁に凭れかかり胡座をかいた上にボクを向かい合わせに乗せた

乗せる時に尻たぶを掴まれて、再び熱い熱がボクを貫いた

「ぁ、ぅん、………はぁッ」

何度入れられてもこの大きさには慣れない
外国人だからだろうか、それともアンディーだからだろうか

足がガクガク震える、呼吸が定まらない

「…アンディー……まだ、うごかないで…ン”」

ゆっくりと腰を動かすアンディーの身体に手を巻きつけて胸よりちょっと下のお腹に頬を擦り寄らせた

「…もっと甘えて」

ポツリとつぶやいたと思えば、擦り寄らせた頬を白く大きな手が撫でた
ボクは無意識に、撫でてきたアンディーの手を掴んで
もっと、と言わんばかりに頬にすり寄った

「テオ」

「はぁ、…アンディー」 

「ん?」

「…あ、……ボクを愛してくれる?」

一旦、距離を置いて目を見つめた

もちろん、と紡いだ。あの瞳が細く笑った、鳥肌が立った。

ボクはきっと…いや間違いなく愛に飢えてる

「…うそだ」

なんだか目がぼやけてきた


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