バンッという、壊れそうなくらいドアが開く音がして俺と先輩二人してそちら側を反射的に見た
「…つかさ」
無意識に名前を呼べばドアを開けた人物がこちらを向いた
それはそれは般若みたいな怖い顔で
うわぁ、やっぱ怒ってるよな
「だれ、お前」
冷たい声色
「………あ、俺?俺は、志磨の上司の結月って言うんだけど。」
ワンテンポ遅れてニコリと笑いながら答える先輩
おいおいおい。場違いだろそれ
「へぇ、随分と仲がいいんだな」
「まぁ、俺、志磨の世話係だし。な?」
俺にふらないでください
「は、い」
どうしようどうしようどうしよう
司の方を見れない、チキンだな俺しね!
「あっそ」
そう吐き捨て反対側の通路へと踵を返した
その姿が無くなるまで俺は、ぼーっとそちらを見ていた
「しーま」
途端に頬に激痛が走る
「イッ、はい」
「誰あれ?友達?」
「えっと、まぁ…」
「ふーん、なんか感じ悪っ」
決して司は悪い人じゃないんですよ先輩
根は優しくて良い奴なんです。