次の日、目を開けようとしたら
開きにくかった
手元の鏡を見たら
昨日泣いたから目が少しはれてる
「はぁ…だめだよな、謝らないと」
俺のそんな呟きは広い部屋に消えてった
今日は月曜日ばりばりの出勤日だ
起きようと決意し
だるい体起こすと
司の香りが漂う
また溜息が出る
「あー、もう。」
こんなの俺じゃない
今日の夜、謝りに行こか。
や、でもなんか気まずい
そんな時に愛用のスマホが鳴った
まさか司かな。と期待を弾ませてみるが
残念ながら相手は会社の上司のようだ
電話に出る気になれない思考を封じ込めて
電話に出た
「もしもし、志磨ですが」
『あ、志磨?良かった。あの今からそっち行っていいか?』
突然の言葉に驚いた
そっちって俺の家のことだよな?
「え?」
『あっ、いや悪い。昨日、志磨に渡したファイル自分のと間違って渡したっぽくて今日の取引先との交渉で使うからどうしても必要なんだ』
はは、俺ちょっとおっちょこちょいでさ。
と電話越しに笑うこの人の名前は結月先輩
本人の言うとおりどこか抜けてる所はあるけど
俺の面倒をよく見てくれるとてもいい先輩だ。
「あ、わかりました。俺のマンションわかりますかね…?」
『あー、わかるよ。この間、そっちらへん通った時にお前自分で言ってたじゃん』
あれ、そうだったけか。
言ったことあるような、ないような。
「じゃあ、階と部屋の番号教えときますね」
『おう、悪いな』
階と部屋の番号を教えたあと
「じゃあ、失礼します」といって電話を切った。