憂鬱めりーごーらんど | ナノ




玄関に立ってインターホンを押す。


「つーかーさー」

早くこいよな。司の名前を連呼する。
待ってるのが焦れったい


すると、ドアが開いた

「…聞こえてるっての」

「え、そんなに声でかかった?」

「あぁ、うざいほど」


まぁ、中に入れ
と言われて、リビングに通された

「で、どした?」

「あ、そうそう…聞きたかったんだけど」

BL漫画家の朔夜さんって知ってる?


そう問いたら司の顔が一瞬、固まった


「…あぁ、知ってる」

「まじ?あのさ」

「会わせねぇからな」

「……………………はい」


やっぱり、だめだったか。ショックだぜ。

「そんなんだと思ったわ」

「そんなに分かりやすいか?」

「笑えるほどな」


はは。もう、司んちで遊んで帰ろ。


テーブルに置いてあるパソコンを見たら
文字がたくさん並んでいた。

これはまさか


「これって、原稿?」

「うん、書いてたとこ」

「なんかテンション上がってきた」


パソコンの前に立ち、中を覗こうとしたら、ぱたんっと閉じられた。
なんでだよ、畜生

「だめ、いまネタが浮かばねぇ」


ネタが浮かばねぇ………?
それはだめだろ

萌えがなくなる


あ・・・。





「俺が手伝ってやるよ」

「なにいってんの」

「や、だからネタ作りをだな」

「…やめとけ」


はー、なんでだ俺だって碧さんの小説待ってんだよ
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