「あ、ナイスタイミングだねリツカ。」

自分のことをリツカ、と名前で呼ぶ人間は少ない。サーヴァントはほとんどマスターと呼ぶし、マシュは先輩、だ。

だから本名で呼ばれると背筋が伸びるような思いになる。

私を呼ぶのは彼女と彼くらいだ。

「おはよー、ダヴィンチちゃん〜」

「おはようってもうお昼だ。」

「それで何がグッドタイミングなの?」

「あー、それなんだけどねぇ」

ロマニになんとかいってやってくれないかなぁ。

なんでもこんな時期だって言うのにロマニの奴一切休もうとしない、とのことらしい。
たまには休めって言うのに、気が抜けないって落ち着かないからって結局管制室に篭ってろくに休んでもないそうで、何故か私に白羽の矢がたった。

「私達がいくら言っても君達は先に休んでてくれって全く折れないからさ、ほら頼むよ!」

「えぇ…私が言って変わることなの?」

「ロマニはリツカのこと特に信用してるからねえ、」

「それをいったらダヴィンチちゃんだって、」

「んー、私は面倒だからパス!」

つまり面倒ごとを押し付けられてるらしい。
まあ予定ないからいいんだけど、
こうしてドクターに落ち着いてあうのもカルデアに住まうサーヴァントが増えてからなかなか機会がないし。

「ドクター?」

「ん?あ、リツカちゃんかどうしたの?」

「アカン(ちゃんと寝てる?)」

「心の中の声が出てるよ!?」

世間話でもしながら促そうかと思ったがこの男死相が出てそうなレベルで顔色が悪い

「ロマニ」

「へ、」

「わ、えええっ」

「ちょっとおとなしくしてて」


これはひと悶着するのも勿体ない一刻も早くこれをベッドにぶちこまねばなるまい
身体強化してロマニを持ち上げて駆け込む。
そう言えばドクターの自室ってどこだ。

わからん私の部屋でいいか。

「ちょ、これやばいでしょ!リツカちゃんにだっこされてるのなんて見れたらボクお婿行けない!!!」

「静かにしてて。」


「あっ、はい…」

恥ずかしそうに顔を伏せるドクターを見ているうちに、心からふつふつと沸き上がる思いがあった。
それに気づいたのはドクターをガンドしてベッドに転がして一息ついてからだった。

20161231

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