触れあうのは常に心の安泰が共にあったから、彼女こそが安寧の存在であると無意識に錯覚をしていた。

「リツカ。」
整った綺麗な唇が動く流れに目を奪われたが弾かれた言葉に弾かれたように美の象徴へと意識が向いた。

気づけば母のように優しく穏やかな表情が私の身に降り注ぎ、その身に包み込まれる。

「ダ、ダヴィンチちゃん?」

照れ臭いような、心地よい温もりは喜びに似た感覚を感じるが同時に困惑を招いて私は戸惑いをとりあえず表す。

突然どうしたの?
なになに?

どんなに疑問符をつけても穏やかな笑みのみが返ってくるだけで、
現状は変わらず私は幼子のように彼女の胸の中で頭を撫でられているだけだ。

「ダヴィンチちゃん、子供でもほしくなったの」

不意に手が止まり覗く瞳は少し揺れている。

「そう言われるとは思わなかったなあ。 そんな、まさか」

一瞬止まった手はクスクスと笑いながらまた続けられた。

「ただ愛しいなと思って。嫌だったかな?」

「それじゃあ本当にお母さんみたいだ」

すこしこっぱずかしいことをいう、とまた照れ臭いような気分になるのをそっと口を開いて隠した。

「ふむ、」

「私ほどの絶世と美女とは言わないけど、キミもなかなか愛らしいなと思うよ。」

親バカかな?
嫌みかな?
小言を挟みながら彼女のスキンシップを受け止めていく。
もうすきにさせておこうということにして

「ちょっと、」

「いけないかい?」

耳元でした艶っぽい声に急に腰が震えた。
まるで男性のように感じてしまって…、
呆気にとられるままに固まるとまた美しい唇が眼前に広がった。

目を見開いて固まる私に映る瞳は慈愛ではなくもっと熱く、強く私を捉えていたことに漸く気づく。

「この姿ではあるけど、男として好きな女の子にこうしたいという欲がない訳じゃあ、ないんだよ?」

艶っぽく言われたその言葉を冗談と流すことは出来なかった。


20161230

ダヴィぐだでググったらダビデ×ぐだ子しか出ませんでしたので二次創作始めました。絵が描けないのが悔やまれる
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