(ちょっとメタい)
アニバーサリー・ブロンド、それを着るのは少しこそばゆく、照れてしまう。
こっそりと時おりそれを着て、「マスター珍しいね、かわいいよ」「アハハ、今回のクエストにぴったりだったから」そんな建前のやり取りをする。
柄じゃない可愛らしいお嬢さんみたいなブラウスとスカートだ。
時々、本当に時々着る。
今日はその時々。
なんでこっそりなのか、隠したい人がいるから。
どうして隠したいのか、その人に怒られてしまいそうだから。
恥ずかしいから、比べられてしまいそうだから。
────そんなことすら、浅ましい。
誰かに語るまでもない。密かな行為。
密かな非行のようなものだった。
「マスター?」
それも今日までかもしれないが。
どっと汗が吹き出る。
「その礼装、父上の…」
「そう、そうそうそうなの!!!!そうなんだよね〜〜!
そういやこれ記念につくってもらったやつ!
ついに着てみちゃったよねえ〜やっぱりアルトリアがナンバーワン!はっきりわかんだね!
でも無印およびホロウガチファンとしてはよだれもんですわぁ!どう?モーさんも着てみない?」
「…いや、」
で、ですよね〜〜!!
でもガンギレされなくてよかった…けど、これキレられるよりきついやつでは?
これ機嫌悪いやつだよなあ…??
「も、モーさん?」
「リツカに、似合ってる。」
「ファッ、」
不意打ちできゅんとすることをいってきたモーさんはちょっと照れてて最高に可愛かった。
「それは、マスターが着とけばいいからよ、オレあれがいい。父上が着てたスーツ。」
スーツ着たがるモーさんめちゃくちゃ可愛い。
その後ふたりでアルトリアコスチュームで滅茶苦茶館内闊歩した。
「お手をどうぞ、レディ。……なんつってな」
「ああああああああああああ」
20180422