2018/04/10 00:05

例外もあるのだろうけど、アタランテの話からも悟るにそうなんだろう。
弱肉強食、逆の逆に最先端が男尊女卑。
わんちゃんみたいな見た目で私たちヒト…彼らのいう旧種より一回り大きな体型。

随分と卑下をするけれどパツシィはいい人、否ヤガだとぐだ子は思った。

この世界の基準から見て普通に損する役回り、私からするといい意味でヘタレ。
彼みたいなツンデレは嫌いじゃない。下手に馴れ合うのは嫌いだろうから言わないけれど。

動物だからか、なんだろう、変に義理堅いし、まるでなついてるみたいに着いてくる。
こんなに大きい雄の半獣人なのに、どこか可愛らしさを感じた。

私が強いサーヴァントを従えてるからとはいえ、私はアヴィケブロンとちがって呼び捨てだし、だからと言って他のヤガに比べてメスの、しかもヒトの私という存在をバカにするわけでもない。

ただ優しいのは愚かだと責める。
もっと自分のためになれというように。

「パツシィくんはやさしーねー」

「バカじゃねえの、ほんとバカだ。
なんのためにもなんねえからいってんだ。
ここじゃ綺麗事なんて腹の足しにならねえよ」

そうだねえ、そうだとも!(ってこれダ・ヴィンチちゃんっぽい。)
そう思わざるを得ない。
つい口角が上がってしまう。
そうなんだろうけど、中途半端に善意があるから救えるものなら救いたいと思う徹することができない弱い人間だから仕方がないんだ。

本当にどうしようもなくなったら、仲間が、自分が死ぬくらいなら善意は推し負ける英雄たちに精神すらも並び立てない凡人だよ。

それを優しいなんて、どうしろと教えを説くなんて。

「パツシィは優しいよ。」

私のような都合のいい人間、うまいこと利用するとか出きるだろうに。
不器用ですなおで、ひねくれてて、私は好きだなあ。

「お前とちがってヤガは狡いんだよ。狡くて醜い。それでいいんだ。お前らとは違う」

「そうかそうか」

私は君とちがって狡いから言わないよ。
ヒトが狡いことも、それを笑顔の下に隠す狡猾さも。言わないよ。

パツシィの中では弱くていい人間のままに写っていたいとぐだ子はひっそりと笑うのでした。

「寒いからくっついていい?いい?いいよね〜〜もふもふもふ!」

「くすぐってえ!ヤメロばか!」

身をよじられたが、引き剥がされることはなかった。彼も優しい ヒト だ。

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