童話ぱろでぃ | ナノ


▼ 赤ずきんイリア1

※ほんの少し性的表現あり


 むかーしむかし。赤ずきんちゃんと呼ばれるたくましい女の子がいました。

「なぁ赤ずきんちゃん。このお菓子と葡萄ジュースをリズおばあちゃんのところに届けてくれへん?」
「えー、めんどくさーい」

 薄い紫色の髪を持つロリおかんのお願いを一蹴りする赤ずきんちゃん。彼女は頭巾と同じように真っ赤な髪と瞳を持っています。
 そんな真っ赤な娘にロリおかんもといエルマーナは、盛大なため息をこぼして言いました。

「しゃーないやん。ウチいま忙しいねん。今日のご飯ステーキにしたるから」
「ホント?」
「せやから行ってきてくれへん?」
「行く行く!」

 肉食系女子は満面の笑みを向けます。
 お菓子と葡萄ジュース、そして愛用の銃を入れたバスケットを片手に、赤ずきんちゃんはおばあちゃんの待つ家へ向かいました。



 歩いているとお花畑が見えて来ました。蝶々が花の上をヒラヒラと踊っています。
 赤ずきんちゃんはお花畑に見向きもせずに歩いていきます。
 しかし、

「やあやあ、そこの血のように真っ赤な少女」

 不審者に声をかけられました。
 赤ずきんちゃんは少女とは思えないような悲鳴を上げます。

「うげぇっ! なんでアンタがここに!」
「嫌だなぁ。オイラは巷で噂のオオカミさんじゃありませんか! ほら、ちゃんと耳もはえてるピョロよ?」
「気持ち悪っ!」

 少女はすかさずバスケットの中に入れておいた銃に手を伸ばします。彼女の中の生存本能がそうさせているのです。

「お嬢さんちょっくらお待ち。いい考えがあるポン」
「なによ」
「今からお見舞いに行くのだろう? だったらそこの花をお摘みなさい。きっとあなたのグランドマザーは泣いて歓ぶでショウ」

 赤ずきんちゃんは胡散臭げにピンクのオオカミを見つめます。
 しかし彼女の頭の中には、花を貰って顔をほころばせるリズおばあちゃんの姿が浮かんできました。

「……」
「な?」
「今から花を摘むのは、アンタに言われたからじゃないから。あたしが急にそうしたくなっただけだから」
「そうそう、それでいいのさ。視聴者の皆さまはそれを求めている! ア、アンタなんか全然好きじゃないんだからねっ! というものを求めているんだよ」
「あーもう! ウザイ! どっか行って!」

 シッシッと追い払うような仕草をするヒロイン。ピンクのオオカミは気にすることなく背中を向け、ゆっくりと去っていきます。

「どうぞ、ごゆっくり」

 オオカミが舌なめずりをしたのを、赤ずきんちゃんは知りませんでした。



2012.02.06

ルカと夢主イン楽屋裏。

「リズは今回も1話目出なかったんだね」
「、」
「まぁ僕は今回出番無しだから、裏からゆっくり見てるよ」
「、」
「それにしてもイリア……可愛いなぁ」
「、」
「って孫を見守るおばあちゃんのような眼差しを向けないで! 僕たち二つしか違わないでしょ!」
「……」
「そんな不満そうな顔をされても……。あとリズもネグリジェとナイトキャップ、似合ってるよ」
「……」
「はは、照れない照れない。でも気を付けてね」
「?」
「オオカミに食べられないように」

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