どうか夜を見逃して
首筋を撫でた唇が泣いていた
白昼夢に棲みついた愛なら
いじわるな雨の日
夜を滲ませた嬌声
ぼくらきっとあの匂いを忘れちゃうから
さよならを忘れた部屋のなかで
夜を彩ったのは吐息だけ
砂糖漬けのおばけ

子宮から甘い君がすき
花を撫でるまでが恋だから
食べちゃいたいけど
床下に埋めたフルムーン
角部屋のあの子は薬指がきらい
おばけとチュウした
どこへだって飛べたのに
息苦しい灯
その頬が染まる頃
窓辺に並べた星屑のように
緩んだスカーフからあの夜の日まで


花を夢見るぼくら
ぼくちゃんは泣けないの?
ノートの端っこに嫌いを添えた日
おばけなんて消えたらいいのに
週末に泣くプリンセス
折れたヒールに花を飾り
キャリーケースに愛は重い
お粗末なパズルをはめてくみたいに
私たちずっとゆらゆらしていたい


苦くて痛い砂糖みたいな愛
透明を育てる僕ら
あさがきたらお終い
嗚咽とおばけ
あの恋はきっと優しい勘違い
シャワールームで媚びてみせてよ




- ナノ -