※没ネタですので、短くて駄文です。


「鬼哭は俺のこと好きー?」

シャチが鬼哭を抱き上げ、問いかけるように言えば、幼子は頭を上下に動かした。
肯定の意を認識したシャチは隠しきれない笑みを浮かべる。

「え〜!言ってくれなきゃわかんねェよ〜!へへへへ!」
「…あの馬鹿は何やってんだ?」

側のソファに背を預けるローが引いたような目でその様子を見る。向かい合わせに座るペンギンは「あー…」と、思い出すようにしながら目の前のコーヒーを一口飲んだ。

「島で女に振られたらしいっすよ。多分そのケアかなにかです」
「くっだらねェ…」

ローはシャチに呆れて視線を逸らし、興味の矛先を自身の手に持つ医学書に目を向ける。

「ほら!好き、言ってみ?」
『しゅきー』
「ぶはっ!言えてねェ!」

舌足らずが治らないのは困ったことだが、どうも愛らしい。
シャチは鬼哭を抱き上げたままペンギンの隣に腰を下ろした。
ペンギンは鬼哭を覗き込むように見る。

「すき、だ。鬼哭。言ってみ?」

シャチと同じようにしてペンギンが問いかければ鬼哭はもごもごと唇を動かす。

「す」
『すー』
「き」
『きぃー』
「そうそう。すき」
『しゅきー』
「だめじゃん」

一語ずつ言わせても続けて言えなければ意味がない。
黙って様子を見てたシャチが噴き出すように笑えば、ペンギンも釣られて笑った。
その理由がよく分からない鬼哭は、構わず何度も紡げない言葉を口ずさむ。

「じゃあ代わりにほっぺにちゅー!」
「いい加減にしろよ、シャチ」

シャチが鬼哭に頬を突き出したところで、ローはようやく声を出した。

「振られるのは構いやしねェが、いつまでもくだらねェことしてんなよ」
「えっ!?なんで知ってんスか!?あっ!ペンギンお前が言ったんだな…!このやろ…!じゃなくて、振られてねーし!間が悪かっただけだし!」

意表を突かれたシャチがぎゃーぎゃーと喚く。
ローが短い嘆息をしてから「鬼哭」と呼べば、幼子はシャチの腕からするりと抜け出し、ローの膝にちょこんと座った。

「あーあ。また振られてる」
「ちょ…キャプテン相手じゃ敵わないってー…」

たった一声かけるだけでこの従順さだ。
そんな主従愛に尊敬すべきなのだろうが、シャチは今、本日二度目の失恋の虚しさを味わうのに手一杯であった。


おまけ
「鬼哭の好きなのってなに?」
『主』
「だよな!俺もだわ!そんじゃその次に好きなのは?俺??」
『べぽぉ』
「えっ!?ベポなの!?ちょ、まっ!その次は!?おれだよね!?」
『……』
「お菓子なの!?目の前にあるお菓子なの!?そんな熱心に見つめちゃってお前……!俺何番目なの!?」
「うるせェ」
「腹パンはやめてキャプテン!」


ーーーーーーーーー
没ネタです。なので文体が下書き同然です。落ちもない…すみません。
メモ帳に埋まってたのを見つけて、「いつかちゃんとしたものに変化させてから載せよう」と意気込んでいたのですが、なんかもうこれは無理だなと思って、没ネタとして提出しました。
お蔵入りもあれかなぁと思ったので。
なお、今後こんなんが増えるかもしれません。本当に申し訳ないです…。
main1

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