「ロー、朝だよー!」
ベッドで眠るローの寝癖を、ヴィダがぽんぽんと叩く。
「……ヴィダ…?」
「うん。ヴィダです。みんな船長のこと待ってるよ」
寝起きを表すローの掠れた声に対して、笑顔で答える。するとローがヴィダの腕を掴み、唇を重ねようと無理やり自身に体を引き寄せた。
「…だめ、ちゃんと起きるまでなし」
あと少しというところで、ヴィダはローの口元を手で押さえる。
求めていない感触に、ローは眉間に皺を寄せつつ渋々と捕まえていた手を離し、ゆっくりと上体を起こした。
「…おきた」
「うん!おはよ、ロー」
「ん…」
まだ寝ぼけている声音でローが腕を力なく広げる。それに満足したヴィダはローの腕に閉じこもり、キスを落とす。ローもまた満足気な顔をしつつ、ヴィダを力強く抱きしめてから、ベッドを降りた。
「今日はシャチがご飯作ったの!美味しくできたってさっき言ってた!楽しみだね!あ、あと今日は快晴!今の所、天気に心配はないよ。航路もまったくズレてないから目的地にはあと…」
ヴィダはローの羽織るコートを持ちつつ楽しげに話す。業務内容だと言うのに楽しげに話すヴィダの頬にキスを落とし、ローは側にあった愛用の帽子を被り、自身にコートの袖を通させた。
「…寝起きが悪い船長を毎回どう上手く起こしてるのかと思ったら…」
「…ありゃヴィダにしかできねェよ…」
扉の隙間から覗くシャチとペンギンは、目の前の夫婦のような光景を見て項垂れた。
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寝起きの船長は甘えたがりがいい。そしてテスト爆発してくらはいな。乙。
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