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目を覚ますと、そこはやはり私の部屋ではない場所。

私はベッドから体を起こして部屋の扉に手を掛けてゆっくりとその扉を押した。

「……すみません、どのくらい寝てました、か?」

そして、扉を開けるなりパチリと交わったのは見慣れた赤い瞳。

私は何度か瞼をパチクリとさせると静かに目の前の人の名前を呟いた。

「……バン兄さん?」

すると、彼はふっと優しげに目元を弛めてこちらへ手を振るう。

「……よう、#悩む#♪」

私は何かに弾かれたように彼に駆け寄り、彼は私へ向かって腕を広げて私を抱き留める。

「本物のバン兄さんだ!!」

うわーと彼の顔を見上げれば向こうも楽しそうに口元を歪めながら笑っている。

そこへ誰かの声がした。

「ん、どういうことだ?」

そちらを見れば私達を眺めながら首を傾ける金髪の男の子。

バン兄さんがそんな彼に向けて笑顔で告げた。

「あーあれだよあれ。昔に言ってた夢に出てくる妹だ♪」

「あぁ!」

何があぁ!なのかは分からないけれど分かってくれたならいいかと私はバン兄さんの横でヘラヘラと笑う。

刹那、外にいたディアンヌさんが私へ声を掛けてくれる。

「あっ、花子起きたの!」

私はそのまま彼の隣から窓の方へと駆け寄った。


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