そして、毒虫を全て全滅させたディアンヌさんは私を降ろすことなく物凄い音を立てて走り出した。
最後の最後にエリザベスさんに言葉を残して。
「団長のことは頼んだよ!!」
「はい!!」
後ろから、エリザベスさんの元気のいい返事が聞こえた気がした。
けれど、それよりだ。
「……ディアンヌさん、何で私まで一緒に行くことに?」
「キミが話をする方が早く向こうとの話が収まりそうだからだよ」
ニコリと笑顔で見下ろされた言葉に私は顔を引き攣らすと、盛大に溜息を吐く。
「だといいんですけど……」
「えっ、無理なの?」
「分かりませんよ。あの人結構いい加減なところありますし……」
今度はディアンヌさんが愉快そうに笑った。
「あはは、ボクらよりバンの事詳しそうだね」
「うーん、どうなんでしょうね?」
コテンと首を傾ければディアンヌさんは優しげに笑う。
「ま、別に無理なら無理でどうにかするよ」
「恐縮です」
この時、ふと急激に襲ってきた眠気に私の意識はそこで途切れた。
眠る少し前にこんな言葉が聞こえた気がする。
『あれの始末は後でいいだろう』
……まぁ、その言葉に対して少しにはムカついたりしたけど睡魔には勝てなかったんですよね。
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