道なき道を走り続けてもうだいぶ経った。
そして、そんな中で始まった悟空と悟浄の言い合い。
間に挟まれている私の心境は堪ったもんじゃない。
「悟浄!!席替われよっ!お前が前にいると煙たくてしょーがねーだろッ!?」
「ああ、悪ィな。後ろにお子様乗ってんの忘れてたぜ」
「ンだとッ!!?」
本当に飽きずにぎゃーぎゃー煩しいこと煩しいこと。
三蔵も私と同意権なのか前の席で青筋を立てながら頭を抱えている。
「……いい加減にしろよ貴様ら。なんなら降りて走るか?」
流石に、三蔵の発言に八戒が彼を宥めながら話をずらした。
「まーまーもうすぐ町が見えてくるハズです。久々に屋根のある所で眠れそうですねェ」
途端にジープの上で立ち上がった悟空。
悟空は私を指さしながら笑った。
「マジで!?なら、俺はいつもと一緒で桜蘭と同じ部屋な!!」
基本的に私達が宿を取るとなった場合には私と悟空は同じ部屋になる。
理由は何だか知らないけれど、悟空がそっちの方が落ち着くし一人部屋にして刺客が来たら危ないとかどうとか。
私も悟空ならば何も思わないからいいのだけど。
私はとりあえず立ち上がった悟空を座らせて前を向く。
「八戒、後どれくらい?」
「さぁ?まだ分かりません」
「分かった。寝るから起こさないでね」
悟浄と悟空は私の言葉に笑顔で頷いた。