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片想いマジック2

最近、柳から面白い話を聞いた。

何でもあの幸村が真田に片想いをしてる女子に片想いをしたらしい。

俺は窓の外を見ながら遠く離れた場所にいる女子へ熱い視線を向ける幸村を見つめ、ニヤニヤと笑みを浮かべる。

すると、俺の後で本を読んどったやぎゅーが眉間に皺を寄せながら溜息を吐いた。

「仁王くん、悪趣味ですよ」

じゃが、こんな面白いもんはの見ないと損じゃ。

俺は幸村に視線を向けたまま柳生のことを適当にあしらう。

「こういうもんは見とかな損するかも知れんからの。……で、幸村はどうするんかのう。真田の恋に破れた相手の女に優しい言葉を掛けてそのまま自分のもんにするんか優しく接して相手への気持ちを諦めるか」

まあ、俺的にはどちらに転がっても面白いが本人達がどうかじゃ。

いつの間にか俺の横にいた柳生が窓の外を覗きぼやいた。

「まあ、幸村くんなら彼女を幸せには出来るでしょう。真田くんには今は可愛らしいマネージャーの彼女さんがいますし私的には幸村くんが報われて欲しいです」

「そか」

俺達はそのまま窓に背を向け、これからどうなるかを考えながら部室へと向かう。

この数カ月後、幸村本人から相手の女と付き合い始めたと告げられ柳生と俺は顔を見合わせ笑った。



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