君の隣
晴れ渡る青空を見上げながら私は自分の隣を歩く人物を見て内心で呟く。
すると、不思議そうに私を見つめながら首を傾けた彼。
私は何でもないと言うようにそのまま彼の手のひらに自身の手のひらを委ねる。
「いきなりどうかしたのか?」
「ううん、何でもないよ」
へらりと誤魔化すように笑う私と、困ったように笑いながらくしゃりと私の頭に手を置き撫で始める彼。
「俺の彼女は気分屋で困るな」
「私の彼氏さんは優しくて最高だよ」
「はぁ、ほんとに敵わないな」
彼はそのまま私の前髪をグイッと上にあげると軽く私のおでこに唇を寄せた。
「愛してる」
「敵わないなぁ……。私も愛してるよ!」
私は勢いよく彼の胸の中に飛び込んだ。
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