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愛してます

失わずに歩き続けることはとても難しいことだ。

私はそれを幼い頃からずっと身近に感じ見てきた。

だから、失いたくないものを失った時の喪失感や失いたくないものを失わなかった幸福感はよく分かる。

「どうかしたのか、名無し?」

「ううん、ちょっと昔のことを思い出しちゃって……」

あのね、エース。

私は貴方がいなくなった今、貴方の大切な弟の船に乗せてもらってます。

彼ったら私のことを貴方の彼女だったからってお姉ちゃん呼ばわりとかしてくるし、時々予想打にしないことばかりして私を困らしてます。

でもね、どことなくやることが貴方に似ていてまるでまだ貴方がここにいるような気が時々するの。

それに彼は成長する事に段々と面影が貴方に似てきてる。

血が繋がってなくても流石は兄弟だね。

でね、もしもルフィに何かあったとしたら私は貴方みたいに身を呈してこの子を守りたいと思うの。

貴方の弟であり私の弟にもなったこの子。

貴方が守ったこの大切な命私がきっと守り抜きます。

だからちゃんと私のこともルフィのこともみんなのことも最期まで見守っていて下さい。

「愛してるよエース。ルフィのことは任せてね」

『名無し、愛してる。弟のこと頼むぜ?』

ふと、風に乗って聞こえる筈ない声が私の耳をすり抜けた。

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