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さよなら恋心

あの人はいつだってそうだ。

もう二度としないとかいいながら何度も何度も繰り返す浮気。

流石に私も疲れてしまった。

私は今まで着てきた高価な服や宝石をベッドの投げ捨て、少し前に街で買った普通の服に着替えると彼のいる執務室へと歩き出す。

途中、ピスティちゃんやマスルールくんやジャーファルくんとすれ違ったけど一言も話さず横を通り抜ければ全員驚いた顔をしていたのは記憶に新しい。

私は一度執務室の扉の前で立ち止まると大きく深呼吸を一つして思い切り扉を開けた。

「シンドバット!」

大きな声でそう言えば驚いた様子でこちらを見る彼。

私は今まで溜め込んできた言葉を吐き出した。

「シンドバット、流石の私ももう堪忍袋の緒が切れました。もう二度としないという言葉を何回聞いたと思いますか?それに、貴方が浮気する度に貴方の浮気相手に毎回毎回悪口やら文句を言われ続けるこちらの身にもなってください。実質言わせていただきますともう既に何年か前から私は貴方に対しての恋心も愛情も既に持ち合わせていません。今日を持って私は貴方とこ婚姻を取り消してこのシンドリア王国から出ていかせていただきます!」

速次に言い過ぎて肩で息をする私と呆然とそんな私を見て顔を蒼白に染めるシンドバット。

私は息を整えるとその場で足を翻して執務室の扉をくぐる。

「待ってくれ、名無し!」

後ろから掴まれた腕を払いのければ再び、絶望したような表情になる彼。

私は彼に対してニッコリと微笑むと口を開いた。

「さようなら、シンドリア王国の国王であり七海の覇王シンドバット」

最後に見た彼は地面に膝を付きながら私に手を伸ばしていた。



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