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夢を見た。

イタチ兄さんが私を殺した時の夢だ。

兄さんは私の目の前にいて、こちらに向けてクナイを向けている。

そして、私は笑顔でこういうのだ。

「イタチ兄さん、私は殺すのにサスケ兄さんは生かすんだ。……別にいいけど」

途端に酷く悲しそうに目尻を下げたイタチ兄さんは苦しそうに私に対して謝罪の言葉を告げると同時にそのクナイを私の喉に突き刺す。

そこで私は夢から覚めた。

ゆっくりと上半身を起こして真っ先に耳に入ったのは母さんの朝食が出来たという声。

私は自身の手の平をじっと見詰めて目を閉じる。

その際に部屋にやって来たのは今の兄である勝己兄。

「おい、菜月。朝だぞ」

彼はそれだけ告げると私がベッドから起き上がるのを見届けると部屋から出て行った。

今回の兄は何とも以前の兄である二人に比べるととても放任主義だ。

確かに大切にはしてくれる。

だが、基本的には前の兄達のように常に私を見守ったりはしない。

それが私的にはとても楽だ。

私はさっさと服を着替えるとそのまま母達が待つリビングへ向かい、みんなで朝食を囲みご飯を食べる。

それが終われば勝己兄と共に学校へ行くために家を出て歩き出す。

そして、道中で偶然出会ったのは私達兄妹の幼馴染みである出久くん。

すると途端に眉間に皺を寄せて個性で彼を脅し始めた勝己兄。

私はそれに大きく溜息を吐くとそのまま二人の間に割り込んで、出久くんの手を引いて歩き出す。

「勝己兄。さっさとしないと遅刻するから行くよ」

「チッ、仕方ねェな」

「ありがとう、菜月ちゃん……」

「どういたしまして」

私は申し訳なさそうな出久くんにそれだけ告げると、イライラしてる様子の兄を横目に見て目を細めた。