今の今まで普通にスイ●ー読んでたよね?



『う、っく……ぐすっ』

「…名前、どうかした?」



もしかして、寂しかった…?
毎日毎日、同じ空間にいても僕は名前に何もしない。仕事をするだけ。

名前が退屈して僕に寄ってくるのを見たいがために、僕は仕事をしてた。

不安にさせてしまったんだろうか…

ずっと放っておいてしまった。
これは、名前の可愛い姿を見たいという僕の我が儘が招いた結果。





「名前…僕は、」


『……さない、で…っ』


「…?」



『もう、咬み殺さないで』









……………は?







「…どういうこと?」



聞いたら名前は勢いよく顔をあげた。



『もう群れてる人たちを咬み殺しちゃ駄目!!』


…うん。訳わかんない。

「なんで?」

『なんでって、仕返しされちゃうからだよ!!』



……どうしてスイ●ーを読んでてこういう思考になったのかなこの子。



「落ち着きなよ。僕が草食動物なんかに仕返しされると思う?」

『……ううん』

「でしょ?だったらそんな心配しなくていいじゃない」

『うん、そうだね!ありがとう恭ちゃん』



そう言った名前はいつもの無邪気な笑顔を僕に向けた。



うん。可愛い。


こんなに可愛いこの子の笑顔を、もう二度と濁さないように。


僕はずっと、君の隣にいるから。



咬み殺しすぎないで

(ねぇ、何であんなこと言ったの?)
(え、だってスイ●ーって群れになっておっきい魚をやっつける話だよ?だから恭ちゃんもやられちゃうかなって思ったの)
(………結局これ僕の所為じゃないよね?あの後悔はなんだったの。もうやだ)








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まえ つぎ



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