「ふぇっくし」
隣の席のツナくんは最近よくくしゃみをしてる。
風邪引いたのかな?
『ツナくんおはよう』
「あ、おはよ」
わぁ、ツナくんすごい鼻声だ…
辛そうだな…
『もしかしたらもしかしなくても風邪?』
「ん、そうみたい。おれってかぜひくとはなにくるからさ」
そう言ってツナくんはまたティッシュで鼻をかんだ。
「あ、」
…ツナくんのティッシュなくなっちゃった。
今日1日ティッシュなしで過ごすのは、今のツナくんには拷問。
「うわどうしよ!ごくでらくんもってるかな?」
……獄寺くんがティッシュ持ってるイメージはないなぁ。
でもツナくんが言ったらソッコーで箱ティッシュ持ってくるかも。
あ、
『ツナくん、私の箱ティッシュ使っていいよ』
「え、いいの?…そういえばいつも箱ティッシュ持ってるよね?」
『うん。私アレルギー性の鼻炎なの。だからいつでもティッシュあげるよ』
私は箱ティッシュをツナくんと私の机の間に置いた。
「ありがとう!じゃあかりるね、」
そしてまたツナくんは鼻をかんだ。
かみすぎたツナくんの鼻は、
トナカイみたいに真っ赤。
私も鼻がムズムズしてきたのでティッシュで鼻をかんだ。
「鼻、真っ赤だよ」
ツナくんが私の鼻を指してふわっと笑った。
そんな素敵な笑顔のツナくんは、自分の鼻も真っ赤なのは気付いていないらしい。
『ツナくんこそ、真っ赤だよ』
君の鼻と私の鼻は
オレの鼻と君の鼻は
「『おそろい』」
そうして2人で笑ったら
鼻だけじゃなくて
頬まで赤く染まった
鼻風邪
with 沢田 綱吉
まえ つぎ