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「おやおや、仲良しですね〜」

家康様と携帯攻防戦を繰り広げていたら、忠次さんとはちがう方が襖に立っていた。

「失礼します、殿」
「部屋が整ったのか?」
「いえ、まだ忠次殿が奮起しておりますよ」
「そういえば忠次はどこの部屋にいるんだ?さっき探したんだがいなくてな」
「おや、ここの隣ですよ」
「…は?わしの部屋の隣?!」
「気付かなかったのですか?」
「てっきり客室にいるかと…」
「正室候補の部屋だから殿の近くがいいとおっしゃっておりました」
「あいつぅ…」

話の流れ的に私の部屋は家康様のお隣らしい。
それって、扉一枚の向こうには家康様が寝てるってことで、朝ばったり寝巻の家康様とはち合わせたりとかとかとか
あ、やばいちょっとテンション上がってきた

「ごんべ様」
「っ、はい」
「わたくし、榊原康政と申します」

一人舞い上がっていた私に、康政さんが頭を下げる。私も急いで頭を下げた。

「あ、ななしごんべです、あの」
「はい、なんでしょう」
「そんな畏まらないでください…私そんな大層な人じゃないので。むしろものすごく怪しい人物なので」
「ふふ確かに、未来からきたと聞いたときは驚きました。しかし貴方は殿の大事な客人。丁重に御もてなしいたします」
「康政さん…」


いいんですかそれで
殺されたくない私にとってはとてもありがたい話だけど…ここあの徳川だよね?
こーんな100%怪しい女置いちゃっていいんですか?!

「それにはやく子を成してもらわねば」
「康政!!…すまんなごんべ」
「あ、いえ…」

いや、いいんですよ?私はべつにそんな家康様とそんなごにょごにょごにょ…
あ、顔が赤くなってきたやばいやばい

「ふふっ、冗談ですよ」
「まったく、お前といい忠次といい…」
「殿がいけないんですよ、わたくしと忠次殿が連れてくる姫たちをばっさばっさと振るから〜」
「またその話か!」
「正室を娶るまで何度でも言いましょう」
「はぁ…」
「ところでごんべ様」
「はい」
「そちらのカラクリ分解させていただいてもいいですか?」
「え゛」

まさかのこのタイミングで?!
またもや我が携帯の危機!
どうするコレ?どうやって避わす?!
い、家康様たすけ…っ

「………」

めっちゃ見てる――!!
きらきらした瞳でこっちめっちゃ見てる―――!!

「あ、あの…先ほども申し上げた通り…ご遠慮願えません、で、しょうか…」

だらだらと冷や汗をかきながら、口端をひきつらせて苦笑う(わらう)。

「少しだけ、少しだけでいいんです」
「ああ。少しだけ、少しだけ、な?」

少しだけって、どのくらい分解するんですか?!
絶対このぱかぱかの部分反対に折って取り返しのつかないことになりますって!!


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