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「ごんべっ、待たせたな」
「あ、家康様」

パッシャパッシャと写メを撮りまくっていたら、先ほど出て行った家康様が戻ってきた。

「おおなんだそれは!未来の物か?」
「はい。これは携帯電話と言って、遠くの人と会話する道具です」
「遠くの?それはすごいな!」
「と言ってもここでは写真撮ったり、音楽聞いたりするくらいしかできないですけど」
「しゃしん?」
「えっと、こんな風に風景とかを記録するんです」
「これはわしの部屋…すごいなけーたいと言うやつは。なぁわしは?わしは撮れるか?」
「もちろんです!ここ見ててくださいね」

家康様が携帯のカメラの部分をじっと見つめる。
……やばい、家康様が私を、私を見つめて…
なんて綺麗な瞳!
き、緊張して手が震えるんだが
がんばれ!頑張れ私!!

カシャッ

「撮れましたー」

なんとかブレない家康様の写メを撮ることができた。

「どれ?おおおお!わしだ!!」

ひゃあああはしゃいでる家康様かわい――よ―――!!
コレ絶対待ち受けにする、永久保存する、家宝にする
うわーうわー幸せだよぉ…



「ごんべ」
「は、はい?」


声をかけられ、幸せすぎて垂れそうになっていたよだれを急いで口の中に戻す。
本物の家康様に視線を戻すと、真剣な眼差しと目が合った。

な、何?そんな見つめられると心臓が…
『わしと2ショットを撮ってくれ』とか言われたらどうしよう…!
緊張と幸せで口から魂でるよ絶対!



「コレ、分解していいか?」



「はぃ?」



ものすごいキラキラした目でものすごいことを言われた。

「だめか?大丈夫ちゃんと元に戻すから」

な?と頬笑みかけられ、どうぞどうぞと言ってしまいそうになった。
喉まで出かかった言葉をぐっと飲み込む。
ああ、でも家康様の頼みとあらば…

「ってだめだめ!私の携帯壊さないでくださいっ」
「そうかだめか…」

はぅ!!!
そ、そんな顔しないでください家康様!私がものすごい悪いことしてるみたいじゃないですか…
ああ…どうしよう…携帯…わた、私の…



「ややややっぱり駄目ですっ!!」



さっき撮った家康様の写真が消えちゃうなんて耐えられないですごめんなさい家康様ああああっ!!

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