12 「さて、わしの部屋に行きたいが…城内はきっと騒がしいだろうなぁ…」 うーん、と家康様が唸っている。 …え?本当に徳川家康ですか?あの? 徳川家康ってあのタヌキなおじさんだよね? こんなにイケメンだっけ? 私の知ってる人物像とまるで違うのですが… 現代に残ってる絵はきっと、あまりにも家康様がいい男だから誰かが妬んで、ねつ造したに違いない うん、そうだ絶対そうだ 「ごんべ、しっかりつかまっておけ」 「ふぇ?…ちょああああああ」 私はまた家康様にお姫様だっこされた。 家康様はひょいひょいと城をジャンプして登っていく。 忠勝様はもう見た目からしてとんでもなく人間離れしてるのがわかるけど、家康様も人間離れしてるって! あ、この角度の家康様かっこいい… ********** 「よっし、着いた!」 部屋の前についた私たちは履いているものを脱いで部屋に入る。 わ――――ひろ―――――――い 圧巻。 家康様の部屋はそれはもう広かった。 さすが徳川家康… 「そこに座っててくれ、わしは忠次を呼んでくる」 「あ、はい…」 ちょこんと上座の前に座り、改めて部屋を見渡す。 本当に広い… あ、そうだ!記念に写メ撮っておこう 過去にきた記念〜写メ撮ったからって殺されないよね? 「ぎゃっ?!」 携帯を取り出そうと鞄の中を開けると、そこには異次元空間が存在していた。 例えれば、そう、ドラ●もんの机の中のような。 何これ?!まさか四次元ポケット?! トリップした時にこの中だけ次元がおかしくなっちゃったとか? …どうしよう、これ手入れたらそのまま吸い込まれちゃったり…怖! それでも恐る恐る手をつっこんでみる。 うにょーんという不思議な感覚あるだけで、そこは広い空間となっていた。 何?何?これどうすればいいの? ドラ●も―――ん!君はいつもどうやって取り出してるのー?! とりあえず念じてみよう…携帯携帯携帯携帯電話 異次元空間の中を手を回しながら、ぶつぶつ念じていると何かが手に触れた。 「ハァッ!!」 それを掴み勢いよく鞄から手を出す。 するとそこには私の携帯が存在していた。 「お、おおおおおお」 すごいすごいっなんだこの鞄は! これは誰もが一度は夢に見る四次元ポケットではないか――――!! わーいトリップバンザイ!神様バンザイ! ふふふふ私の第二の人生、捨てたものじゃないな…ふふふ あ、これって、どこでもドアとかでてくるのかな… 出てこなかったのは言うまでもない。 |