08


ギュイイイイイイイン

ドゴゴゴゴゴゴゴ

……プシュー



「つ、着いた…?」
「ああ、三河についたぞ。忠勝ご苦労だった!」
「プシュー」

どうやら三河についたようだ。
そっと下ろしてもらうが、足がガクガクいって歩けそうにない。
忠勝さんはまたどこか飛んでいってしまった。

「ん?大丈夫か?」
「は、はははは…膝が笑っちゃって…」
「ふっ、ほら」

イケメンさんがすっと手をだす。

「え?」
「わしが支えてやろう。歩けるか?」

し、紳士――――!!
さっきは鬼畜かと思ったけど紳士でした!!


はああ優しい…やばい顔が赤くなってきた…

「殿――――!!!」

誰かが門から出てきた。
あ、この人はちゃんと着物着てる…

ん?門?
ふと見上げれば、それはそれはおお――きなお城がありました。
でっか!!なにこれすご!!お城だお城!
てかさっき殿って言った?殿って…
まさかこの人超すごいお殿様!?
「忠次」
「おかえりなさいませ、ご無事で何より」
「ああ、ただいま」

一人パニックをおこしていると、着物の人と目があった。

「お?」
「!!」

や、やばい…大事なお殿様に変な虫がついてきちゃったよなんだこいつみたいに思われてるよ…
今の私の格好は、Tシャツにマキシにサンダル、ななめがけポシェットをかけている。
どうみても過去の人物の格好じゃない。
あ、でもお殿様フード着てるから、案外いけたりして…嘘ですごめんなさいころさないで

「……竹千代様ぁ!!」
「ど、どうした?」


ひぃ!!殺される!!


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