ありすはいっしょうけんめい考えました――…。」



なにしろ暖かい日なので、そうでもしないと眠くてぼうっとしてしまいそうだったからです。
ヒナギクの冠を作るのは楽しそうだけど、でもちょっとめんどくさいかな、そう思ったその時でした。
ピンク色の目をした白いウサギが、ひとりごとを言いながらアリスのそばへ駆けてきたのです。
後から考えてみたら、これはとてもおかしなことのはずでしたが、なぜかこのときは当たり前のように感じられました。
しかし、さすがのアリスもそのウサギがチョッキを着ていて、そのポケットから時計を取り出したことに気づいたら、もう追いかけずにはいられませんでした。
野原を突っ切って走っていくと、ちょうどウサギが茂みの下の大きな巣穴に飛び込むところが見えました。
アリスは、どうやってもとの世界に戻ってくるかも考えないまま、ウサギを追ってその穴に―――



ありす!」


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