オレ様が教室へ入ろうとした時、中から聞こえてきた声にオレ様は動作を停止した。
「江音子はSだねぇ」
「そうだね。うーん、他の皆はMかな?」
「遊戯もSじゃないのかぁ?」
「あー、そうかも」
何だと!?楽しそうに話す江音子とマリクの声。
話している内容は…SとMって言ったら、アレだろ…所謂SM…。
それにしてもオレ様がSじゃねぇとはどういうことだ!?
冗談じゃねぇ!オレ様がMなわけないだろ!まさかオレ様Sっ気が足りてないのか?
しかも江音子がS…いや、まぁアイツはたまにSなところも…だからいいとして。
問題は王サマだ!確実にアイツはSじゃねぇ!むしろMだと断言できるぜ…!
いや、まさか器の方の遊戯のことか?……ある意味でドSだな…。それなら納得だぜ…。
「オレはMだじぇ!」
高らかに宣言するな。んなこたぁわかってんだよ!
「海馬はMで決定だし、バクラも…」
「ふざけんじゃねぇ!オレ様はSだ!」
江音子の言葉を否定するため、勢いよくドアを開け中に入ると、驚いた江音子とマリクが振り向いた。
「なっ!こいつは一体どういうことだ!?」
しかし眼前に広がったTシャツの数々にオレ様は目を見開く。
「えーバクラS?うーん、ちょっと小さくない?」
「………」
「あっほら!Mの方がサイズ合ってるよ!」
呑気にTシャツをオレ様にあて、笑顔を浮かべる江音子。
その後ろでマリクがクツクツ笑っているのを発見した時、オレ様の血管がブチッと音を立てた。
SとM(スピリット⊂二二( ^ω^)二⊃!!)
(ぐわあああああ!)
(SとMって…Tシャツのサイズのことかよ…)
(うん。今度の文化祭の…アレ?どうかした?)
(何でもねぇ…)
バクラ勘違い再び。
何かバクラは会話で勘違いしてあたふたしてれば良いと思うんだ。
この勘違いシリーズ(?)また書くかも。
(20100206)
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