この学校の図書室は広い。本の種類も結構ある。
図書室は私のお気に入りの場所となっている。
そんな図書室に私は昼休みと放課後に利用しているわけですが、
「お前が椎名か?」
これはないと思うんですよねー・・・
『はぁ…そうですが…?』
立海大テニス部三強の達人、参謀こと柳蓮二先輩。
ある程度の噂を聞いている私はある程度知っている風に装って過ごしている。
本当は全部知ってます。
貴方達がどんなテニスをするかとか…ストーカーとかではなくて…。
「ほぅ…」
ところで、私は何故この人と話しているのでしょうか。
『なにか?』
「いや、特に何かあったわけではないが…強いて言うなら興味、とでも言っておこうか」
興味、なんのだよ。
柳先輩に興味を持たれると言うことはこれまたまずいことだ。
だが、私は学校で別に変なことをしている訳ではない。
平均的且つ平凡な私になんの興味がある言うんだろうか、この先輩は。
『先輩とは会った事すらないと思いますが』
本を一冊、棚からとりながら話す私はもちろん先輩の顔など見ていない。
見る必要性が感じないだけなのだけれども…。
「あぁ、会ったのは今日で初めてだ」
『ならどうして興味を持ったのでしょうか』
「それは…赤也がお前の話をしていてな」
『切原…ですか…』
「あぁ」
まただ。また切原の名前がでた。
切原は何故私の話をするんだ。
「お前が赤也が何故自分の話をするのか疑問に思っている確率、87%」
『えぇ、あたってますよ』
「…びっくりしないんだな」
『びっくりする要素が私にはわかりません』
…………しまった。
「…そうか」
そう言って柳先輩はノートを広げ、何かを書き始めた。
それも尋常じゃない速さで。
『あの、ところで先輩。名前は…?』
名前、聞いてません。そして話を変えたいです。
「ん?知っていると思っていたが…まぁいい。俺は三年の柳蓮二だ。」
知ってます。
でもね、一応聞いておかなければなんで知ってんの?ってなるわけですよ。
確認もかねて、ね。
「もうダメかもしれない」(あーあ、参謀に見つかったらダメだなぁ…)
(ふむ、どうやら俺の思っていた以上に面白そうなやつだ)