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▽ ただのクラスメイトだけど

※主→高尾です。


もしも俺が主人公なら、アイツの気を少しでも引けたかな…
なんて思ったって、
アイツの隣にいるのは俺ではない。

アイツの隣にはいつも天才がいる。
主人公にするならその天才だろう。

でも、少しは俺でも役に立てる事があるんじゃないかって
そう思って考えてみた。
考えても考えてもわからなかった。
俺はやっぱり主人公じゃないな。
なんて思ってた。

「なぁ、一人余ってる?」

文化祭の各係りは三人一組で動く事になっていて
俺の友達の三人はもうグループを作ってしまっている。
だから、奇跡的に俺が余っていた。

『あ、あぁ…余ってるよ』
「んじゃ、俺達と一緒にグループ作ろうぜ!」

高尾和成。
俺の憧れの人であり、好きな人でもある。

「真ちゃんと俺と秋の三人だな!よし!」
『ちょ、名前…』
「え?名字で呼んだほうがよかった?」

俺は全力で首を横にふった。
高尾が俺を名前で呼んでくれた。
それだけで嬉しかった。
でも、

「いきなり名前で呼んだからビックリしたのだろう、これだから高尾はダメなのだよ」
「ちょ、真ちゃんひどい!」

ほら、主役の登場だ。
別に皆に好かれてなくても、主役になれる。
頭がよくて、綺麗で、なにかすごいことができる。
ただの平凡な俺とは違う。

「んじゃ、これからよろしく!」

まぁ、でも今はそんなことどうでもいいかな。
なんて思う俺はもう末期かもしれない。


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高尾を書きたかっただけ



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