short | ナノ


▽ お誘い待ち

※後半がへたれ仁王注意


男子に興味が無かった私に彼氏ができたのは中学二年の夏だった。
名前は仁王雅治。
彼はテニス部でかなりの人気がある。
女遊びをしているだとか言う噂も流れていたこともあった気がする。

そんな彼から一目ぼれをしたと告白された。
人生で初めて告白されたが男に興味が無いと言って断った。
友達には勿体無いと言われたが、しょうがない。興味が無いんだ。

だけども彼は諦めなかった。興味が無いなら引けばいい。
押してだめなら引いてみろ的な考えをしたらしく、
テニス部の見学、一緒に昼ごはん、等を彼は一生懸命やっていた。

まぁ、その頑張りを見て私は折れたが。

「秋?何考えとるんじゃ」

現在、彼とは一応付き合っている。
でも、彼のことが好きなのかと私は聞かれればよくわからないと答えるだろう。

『ん、なにも?』

だけども、未だによくわからない。
彼がどうして私を好きになったのか。

聞いたって答えてくれないだろう。私はそう勝手に決め付けていた。

「秋、好いとうよ」

ふわっと微笑みながら言う彼を見ていると少し悲しくなる。
はっきり答えを出せていない自分に苛立ちを感じる。

だけど、

どこかこの関係が丁度いいと思っている自分がいる。

「秋、クリスマスイブとクリスマスは部活が休みなんじゃ」
『うん』
「じゃから…その…」

一つ言い忘れていた。彼は物凄く可愛い。
乙女というか、へタレと言うか・・・。とりあえず、その辺の女子より可愛いと私は思う。

『ん?』

だからだろうか…。少しいじめたくなる。

「えっと…のぅ…」
『…』
「ふ、二日とも…一緒に…す、過ごさんか?」

真っ赤な顔をしてこの子は何を言っているんだ。
あー・・・もう、そんな捨てられた子犬みたいな顔をされると断れないじゃないか。

『うん、いいよ』

まぁ、断らないけどもね


もしかしたら、私はもう彼に惚れているのかもしれないね。


―――――――――――――
クリスマス前日の話だけど気にしないっ!



[ back ]


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -