最近、一之瀬が目を合わせてくれない。

避けられている気もする。
だけど別に休みの日に遊びにいくのを拒否されているわけじゃない。
誘ったらOKしてきてくれる。

じゃあなにがいけなかったのか。
俺にはそれがわからない。

俺がなにかしたなんてことは考えられない。
彼女の喜ぶことを進んでやり、悲しむようなことなんてしないようにしている。
彼女の情報なら桃井に聞いて、好きなものだって嫌いなものだってなんだって知ってる。

なんだって知ってるはずだった。

先日教室で聞いてしまった会話。

『恋愛感情ね…恋愛ねぇ』

頭から離れなくなってしまったその言葉、恋愛?誰が?誰を?
頭がぐるぐるして混乱していくのが自分でもわかる。

あぁ、俺はこんなにも純粋だったのか

一之瀬が他の奴と話していると嫉妬をし、一之瀬と話していると嬉しくなり、
一之瀬と目が合うと顔が赤くなり、一之瀬のことを考えると胸が苦しくなる。

あぁ、俺はこんなにも、こんなにも一之瀬のことが好きだったのか。

ようやく自覚した

(自覚したと同時に)
(決心した)
(告白しよう、と)



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